殺風景な三池港の奥には石炭を積み出す岸壁がある。
その横にひっそりとたたずむ桟橋に着いた船は休憩の後、島原へと折り返す。

一気にスピードを上げた船は港を出ると、進路を南に変え
島原をめざして波静かな海を疾走する。

船内は波しぶきが砕ける音とエンジンの鼓動につつまれながら、くつろぎの時を過ごす。
母胎を思わせる海と船はこころよい眠りをさそう。
港を出てから30分、航路の中ほどにさしかかると、左右から大型の船が現れる。島原行き高速船と有明海を東西に結ぶフェリーの航路が交わる海の十字路である。
大型貨物船・漁船・レジャーボート、さまざまな船が行き交う有明海でも特に船の数が多い。まるで絶壁のようにそびえる雲仙岳
が右手に迫ってくると、島原はもうすぐ。
やがて、船は50分の航海を終えて港に入る。
観光地島原の港は華やかである。
島原は有明海の西のターミナルだ。
熊本、天草方面へのフェリーが次々と発着する。ゴールデンウィークともなると、
大分・鹿児島・宮崎
など九州各県の車に観光バス・トラックから自転車まで、
そして、見送りの人たちなどでにぎわう。
次回は島原から多比良まで、有明海西岸を北上するローカル鉄道の旅です。
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